【ブレイブスマッシュ】オーストラリアで繋ぐ帝王の血筋【トウカイテイオー】

オーストラリア馬主

今回は現在オーストラリアで躍進を遂げている日本産種牡馬「ブレイブスマッシュ」の活躍について触れていきたいと思います。

日本からオーストラリアへ渡って活躍し、そのまま現地で種牡馬入りしたブレイブスマッシュ。

その血統には日本人競馬ファンなら誰もが知っている名馬の貴重な血が残されています。

ブレイブスマッシュについて

ブレイブスマッシュは2013年3月22日に誕生した牡馬。

当時の馬主は「トーセン」の冠名で知られる島川隆哉氏。

2015年の2歳馬から2016年の2歳馬までは冠名を使用していなかったそうで、ブレイブスマッシュはちょうどその期間の馬のためこのような馬名になっています。

ブレイブスマッシュは2015年6月7日の新馬戦でデビュー。

4戦目で勝ち上がり、直後のサウジアラビアRC(当時は新設重賞)で勝利。

翌年はファルコンステークス(G3)で2着すると、NHKマイルカップ(G1)と日本ダービー(G1)にも出走しましたがそれぞれ8着、18着とG1では結果を残すことはできませんでした。

その後はキャピタルステークス3着、ニューイヤーステークス4着、オーシャンステークス(G3)4着と健闘するも勝利を掴むことはできず、2017年3月23日に中央競馬の競走馬登録を抹消。

オーストラリアのシンジケート会社、オーストラリアン・ブラッドストック社に購入されオーストラリアへ移籍し、D.ウィアー調教師に預託されました。

日本ではマイル路線で好走したブレイブスマッシュでしたが、オーストラリアに渡ってからは現地の主要路線である短距離路線へシフト。

移籍初戦を2着と好走し、2戦目のチャンドラーマクロードステークスで移籍後初勝利を挙げると、芝レースとして世界最高賞金額を誇るジ・エベレストで3着に入るなどの結果を残します。

その後もオーストラリアステークス(G2)5着、CFオーアステークス(G1)3着と好走し、2018年2月24日のフューチュリティステークス(G1)で見事G1初勝利を掴みます。

当時を知らない身ですので実際のところはわかりませんが、日本での戦績だけを見ればあまり目立った活躍のある馬とはいえないブレイブスマッシュですが、オーストラリア移籍後は目を見張るほどの活躍ぶりで、一気にこの馬の価値を高める結果となりました。

G1初勝利後は時折成績を崩すこともあれど果敢にG1を含む重賞競走に挑戦し馬券内をコンスタンスに確保。

2度目の挑戦となったジ・エベレストは8着に終わるも、その次のマニカトステークス(G1)で二度目のG1勝利を挙げました。

以降はしばらく結果を残せないレースが続き、2019年のニューマーケットH(G1)で3着と久々に好走を見せるも、次走に挑んだドバイ・メイダン競馬場のアルクオーツスプリント(G1)で8着に沈み、これを最後に現役を引退しアクイスファームで種牡馬入りしました。

2023年春現在、ブレイブスマッシュはヤラマンパークスタッドへ移籍していますがこの経緯については後述します。

血統背景、母父はあのトウカイテイオー

ブレイブスマッシュは父トーセンファントム、母トーセンスマッシュの仔。

父トーセンファントムは東京スポーツ杯2歳S(G3)で2着と好走するも次走の朝日杯フューチュリティS(G1)で14着と大敗しこれを最後に引退しており、目立った活躍はありませんでした。

トーセンファントムの血統には父父サンデーサイレンス、母父トニービンと日本競馬の血統図を塗り替えた2大種牡馬の名前が並んでおり、同配合にはドリームパスポートやサトノノブレス、デスペラード、コパノリチャードやキャプテントゥーレなど重賞戦線で活躍した馬が名を連ねます。

そしてブレイブスマッシュの血統において注目したいのはなんと言っても母系の血統。

母トーセンファントムの父は、日本の競馬ファンなら誰もが知る名馬、トウカイテイオーです。

無敗の2冠馬でありG1で4勝を挙げた稀代の名馬であるトウカイテイオーですが、自身の競争成績とは裏腹に産駒成績は振るいませんでした。

2023年春現在、種牡馬として残っているのはクワイトファイン一頭で、そのクワイトファインもクラウドファンデインングで種牡馬入りを目指したという経緯から、トウカイテイオーの血を残すということの難しさを感じざるを得ません。

繁殖牝馬としてトウカイテイオーの血を擁している馬は何頭か確認できますが、そこまで目立った活躍馬が出ていないのが実情です。

そんな中で、ブレイブスマッシュは母父トウカイテイオーという血統を持ってオーストラリアで種牡馬として活躍しています。

オーストラリア血統を語るうえで欠かせない存在である大種牡馬デインヒルはノーザンダンサー系の血統であり、ブレイブスマッシュはノーザンダンサーの5×5×5というクロスを持っていることからも、オーストラリア競馬とは相性が良いという部分があるのかもしれません。

産駒の活躍

現在オーストラリアで活躍しているブレイブスマッシュ産駒の代表例を以下に挙げます。

ブレイブスマッシュは2020年から種付けを行っており、現2歳世代が初年度産駒となります。

※日本の2020年産馬は既に3歳ですが、オーストラリアは半年ほど遅く8月で加齢されるため2023年春現在まだ2歳

【Brave Mead】

父ブレイブスマッシュ×母Mead

2020年8月24日生まれ。

ブレイブスマッシュを輸入したオーストラリアン・ブラッドストック社で共有されている牡馬です。

2023年2月6日のトライアルで1着と快調なスタートを切ると、2月23日の1200m戦でデビューし3着。

翌3月10日に再び1200m戦へ挑戦し勝利すると、その勢いのままに3月24日にはリステッド競争であるValley Pearlを快勝しました。

2着の馬を寄せ付けない走りで2、3馬身のリードをとってのゴールはまさに圧勝と言える結果でした。

この勝利で本馬はブレイブスマッシュ産駒初のステークスウィナーになったと日本の競馬メディアでも取り上げられておりました。

【kimochi】

父ブレイブスマッシュ×母Summer fun

2020年8月26日生まれの牝馬です。

2022年11月4日のトライアルで始動し結果は2着。

同月26日には1100m戦でデビューしこちらも2着と健闘。

そこから約3ヶ月半ほどの間隔を空けて再びトライアルに挑み1着を取ると、2023年3月22日の1100m戦にて見事勝利を収めました。

その直後、ランドウィック競馬場にて開催された2歳牝馬限定戦のG2パーシースカイズステークス(芝1200m)に出走し3着に好走しました。

ゴール寸前まで先頭集団で粘るも外から差し足を伸ばしてきたKristilliという馬に差し切られる非常に惜しい結果。

一着とは1馬身半~2馬身差でしたが2着とはハナ差の決着でしたので負けて強しの競馬と言えるでしょう。

【Szabo】

父ブレイブスマッシュ×母Something Secret

2020年9月30日生まれの2歳牝馬です。

本馬はトライアルを使わず800mの2歳ハンデ戦でデビュー。

4コーナーで大きく外に回しながらも直線では他馬を圧倒する走りで2着に5馬身ほど差をつけて完勝。

2023年3月23日にも同条件のレースに出走しこちらも快勝しデビューから2連勝を飾っています。

Brave Strike】

父ブレイブスマッシュ×母Taste Of Money

2020年11月20日生まれの2歳牡馬です。

2023年1月にトライアルを2度走り1着、2着と好走。

2月25日のアスコット競馬場(英国の同名競馬場とは別)の1100m戦でデビュー勝ちを収めました。

直線で一度は2着の馬にかわされるものの二枚腰で差し切るという勝負強さを見せました。

その後はデビュー2戦目にしていきなりG3のジムクラックステークス(芝1100m)に出走しますがここは9着と大敗。

しかしその約2週間後にはG2カラカッタプレート(芝1200m)に出走し4着としっかり掲示板を確保しました。

【Brave Halo】

父ブレイブスマッシュ×母Danish Bingo

2020年9月9日生まれの牡馬で、ブレイブスマッシュ産駒の初勝利を挙げたのが本馬です。

2022年9月にトライアルを2回走り3着、2着の結果。

その後アスコット競馬場の芝1000m戦でデビューし見事勝利を収めるとそこから破竹の3連勝を飾ります。

2023年1月に一度トライアルを挟んでここも1着をとると、勢いそのままに2月11日にはサンダウンヒルサイド競馬場のG3ブルーダイヤモンドプレリュード(芝1100m)へ出走。

1着から5着まで馬群一塊の大混戦のなか4着と健闘しました。

その後間隔を開けず2月25日、今度はG1ブルーダイヤモンドステークス(芝1200m)へ駒を進めこちらも大健闘の4着。

産駒初勝利を飾り、連勝し、G1挑戦で掲示板内確保と、本馬の活躍がブレイブスマッシュ産駒の素質を世間へ知らしめたと言っても過言ではないでしょう。

これからの期待

前項のように、ブレイブスマッシュ産駒は現在の2歳戦線を大いに賑わせる存在となっています。

初年度産駒ながらこの驚異の成績を受け、ブレイブスマッシュはこの春にアクイスファームから大手スタリオンであるヤラマンパークスタッドへ移籍しています。

ヤラマンパークスタッドはオーストラリアを代表するリーディングサイアー、I Am Invincibleを繋養していることでも有名な超大手です。

そんな大牧場から声がかかるということが、ブレイブスマッシュがいかにオーストラリア競馬界で注目を集めているかを表しています。

オーストラリア競馬は早熟の短距離馬がもっとも好まれており、産駒の成績を見てもまさにその嗜好と合致する結果を叩き出していることから、これから更にその需要と期待は高まっていくことが予想されます。

日本では決して大成したとは言えないブレイブスマッシュ、そしてトウカイテイオーの血が、遠い異国の地の血統図に織り込まれていくというのは非常にロマンがあると思いませんか?

勿論ブレイブスマッシュがオーストラリアに渡らず日本で種牡馬入りしても成功していた、という可能性も全くないとは言えませんが……ここまでの結果に繋がったのはやはりオーストラリアの土地、関わる人々や繁殖牝馬との相性などがこれ以上なくベストマッチしたからだと思います。

一つの環境にこだわらず、生き物だからこその様々な可能性を模索できるのも競馬の奥深さと言えるでしょう。

ブレイブスマッシュの子ども達がこれからもオーストラリア、ひいては世界へその血を広げていって、ジャパンカップなどの大舞台に凱旋する日を楽しみに待ちたいと思います。

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